家族を大切にするラオス人と行事

 IV-JAPAN理事の飯村です。IV-JAPANは東南アジアのラオスで長年支援活動を行なっています。ラオスは後発開発途上国(2022年8月現在46カ国、うちアジア9カ国)ですが、特に地方では自給自足に近い生活を送っていて、質素ですがたくさんの美味しい食べ物があり、大家族で和気あいあいと楽しそうに暮らしているため、あまり悲壮感は感じません。多民族国家(公式で50民族)で、各民族の文化も守られており、華やかな伝統行事に参加させていただくと、家族の温もりが感じられます。また楽しいことが大好きなラオス人は、クリスマスやハロウィーン等の海外の行事も積極的に取り入れています。先日はバレンタインでしたが、地方の都市でもプレゼントを販売するお店が多く見られました。ラオス人に訊いてみたところ、夫婦や恋人間だけでなく家族にも、花やぬいぐるみ、「ガターコーンクワン」というギフトの籠等を送るようです。写真のようにラオスのお祝いことで好まれる、紙幣をデコレーションしたマネーツリーをバレンタイン風にアレンジしたギフトもあります。

 この前の年末年始は、ラオスの自宅(借家)で過ごしましたが、写真のような結構立派な打ち上げ花火も上がり、自宅にいて綺麗な花火を見ることができました。もし私に家族がいて、一緒に花火を見られたら、一層楽しく感じられたかもしれないなと思い、大家族のラオス人を少し羨ましく感じました。

 家族の絆が強いラオスでも、近年は特に都市部において核家族や一人暮らしも増えているようです。高齢化社会ではありませんが、徐々に高齢者の割合も増えてきているようです。ラオスでは高齢の祖父母や両親の面倒を家族みんなで看るというのが普通ですが、都市部の少人数の家族では、それも難しくなり、ケアをする人を雇ったり、専門施設を作る計画もあるようです。私自身も、短期間ですが、両親の介護をしましたが、きちんとした知識がない状態での介護は危険を伴い、またストレスにもなると思います。高齢者介護には、やはり専門のケアができる人が必要ですし、または家族がケアする場合でも、研修などを受けた家族がいたら良いなと考えます。

 IV-JAPANは、現在介護の職業訓練を実施し、地方の若者を介護人材として養成し、収入が得られるような取り組みをしています。上述のように地方の若者は大家族で育ち、祖父母や小さい子どもたちと暮らしているので、ホスピタリティが高く、介護人材としては適任だと思います。ただ訓練希望者の多くが地方の貧困層なので、訓練中の費用や生活費の工面ができず、参加を諦めるケースもあるため、IV-JAPANは訓練実施とともに、チャンパー山の民奨学金で訓練中の費用を支援しています。若者の収入向上と高齢者とその家族の幸せのために、是非IV-JAPANにご寄付・ご支援をお願いいたします。