『第2のふるさと作り』プロジェクト⑨

講座9 外国人相談演習3 (12月9日、講師:蛯沢ジョゼフィンさん

講師の蛯沢ジョゼフィンさんは、フィリピン人で、元さいたま市外国人相談員としての経験があります。現在は警察での通訳や個人的な相談にも応じている方です。今回の講座には、ⅣJ-APAN代表の冨永幸子さんも参加し、ご挨拶させていただきました。また、在留外国人支援講座開設のための資金的な支援をお願いしたパルシステム(埼玉)から福本悦子理事が参加され、外国人支援の流れにも触れてお話しくださいました。

<講座の内容(簡単なまとめ)>

~外国人相談演習3~

1.講義(事例から学ぶ)

旧大宮市で外国人相談制度を導入してから現在まで、フィリピン人関係の相談は、暴力、金銭面、戸籍、子どもの養育などで、特に、人権、差別に関しては、解決すための多くの課題があったようだ。日本語の学習の機会を持つことが必要であることはもちろんだが、同時に私たちにも、在留外国人の出身国の文化や習慣、伝統などの背景や自分との違いについて学び、共に日本の社会を支えている一員として課題に向き合っていくことが求められている。

2.討議(講義に関すること。受講後の感想も含む。)

受講生A:相談員としての経験談から—–アルバイトをしていた外国人が他の人から嫌がらせを受けていた。(例を聞いた方から、日本人の可能性もあるとの発言ありました。)

受講生B:やはり在留外国人にとって言葉の壁は大きいことを講師の実体験からお聞きしましたが、これは、どこの国でも当てはまる事ですね。それが当たり前、仕方ないこととあきらめるのではなく、積極的に助けなくてはいけないと思いました。その方法はいろいろあるはずです。

受講生C:日本に来た外国人は、とにかく言葉を習得すること必要だと思いました。

受講生D:今回は、「生活者としての外国人」当事者で支援の経験もある講師の生の声を聞くことができました。日本で暮らす中での言葉がわかることの重要性に気付かされた反面、今までの講座で学んだような「やさしい日本語」のように日本社会からの歩み寄りもより一層進むようになるべきではないかと思いました。また講師の支援の経験談からは家庭の中での女性、母、妻が日本語の理解ができないから必要な情報にたどり着けない、社会に溶け込めないといった状態になりやすいのではないかと考えさせられました。”

受講生E:言葉がわからないこと、特に親がわからないことの影響の問題がよく伝わってきました。親を支える環境の必要性を感じました。それから、日本においてアジア、特にフィリピンの関係した犯罪が多いと感じていましたが、今回お話を伺って、社会性の違いが背景にあるのかと知りました。フィリピンでは、犯罪にならないことが、日本では犯罪になるという事実を実感してない問題に当面するのは頭の痛い状況ですね。お互いに理解しあえないから戦争が起きるように、国を超えての理解の大変さと言葉の重要性を色々な事例から知り、今回はよりわかりやすく気づかされました。

受講生F:ジョセフィンさんはフィリピンの方ですが、とても日本語がお上手で、視点①言葉 ②文化の違い ③新世代の若者の意識 で、具体例を示して話してくださったのでとても分りやすかったです。 とにかく、言葉がわからないと全部わからないということで日本語の習得の大切さがわかりました。 また、文化の違いを理解し合うことはなかなか難しいと思いました。しかし、なかなか支援を受けられなかったり、理解されなかったりと困難な状況にある外国人の方々が、特にアジアの方々に多いこともわかりました。 フィリピンの方の視点からの現状を知ることができて有意義でした。ジョセフィンさんとても立派だと思いました。

~~~~~ⅣJ-APAN担当スタッフからのお礼の言葉(在留外国人支援講座)~~~~~

今回の演習をもって講義は終了いたしました(12/16は修了式です)。

振り返りますと、受講生の真摯な取り組みと素晴らしい講師の皆様のご協力で充実した内容にすることができたと感じております。皆様に感謝申し上げます。

9回の講座を通じで新しい発見があり、また、自分では気づかなかった目に見えない壁を壊し、そして、「やさしい日本語」に出会い、在留外国人との違いを楽しみお互いに学び合う関係に——-等、多くのことを学び経験しました。

外国人労働者が増加傾向にあるなどの日本の社会の変化に関心を持ち、同じ日本で暮らす人同士として、今後も私たちにできることはどんなことかと問い続けていきたいものです。

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