SDGsって大変!?

副代表の河島です。

昨年3月のブログでもお伝えしましたが、私はIV-JAPANのほかに「おそとカフェ」という活動にもボランティアとして参加しています。今回は、そのおそとカフェの活動の中でSDGsを実現するために人知れず苦労した出来事についてお話ししたいと思います。

昨年の繰り返しになりますが、「おそとカフェ」は、身近な公園を活用して屋外に子どもの遊び場や様々な人や世代が交流できる場をつくり、人と人とのつながりを豊かにすることで地域コミュニティを活性化させて地域づくりにつなげることをコンセプトに、地域住民や賛同者が運営主体となってイベント等を開催する活動です。

会場は板橋区立赤塚新町公園で、カフェ、焚き火、外遊び、ライブステージなどの企画を春夏秋冬の季節に合わせてみんなで考え、年に4回実施しています。私は主に「焚き火」を担当しており、各自持ち寄った食べ物を炭火で焼いて食べてもらうための熾火を準備したり、火吹き竹作りから始まりファイアースターターを使って最終的に炭に火をつける火熾し体験の隊長として、火を熾す苦労や楽しさを伝えています。イベントはスタッフ含めて毎回150~200人の規模のため、みんなが楽しめる熾火を作るには大量の炭が必要になります。当初は毎回購入していましたが、現在は板橋区から公園の池を炭浄化した後に廃棄される炭を提供してもらい活用しています。

私はキャンプが趣味で炭は身近な存在でしたが、公園の維持管理業務に従事していた時に毎年大量に廃棄処分している炭を見て、何か有効活用できないものかと考えていた際に思いついたのがおそとカフェでの再利用でした。おそとカフェの仲間の伝手で専門業者に使用済み炭の安全性を無償で調査分析してもらい安全性を確認したうえで、区とおそとカフェ実行委員会で協定を締結し、炭の有効活用が実現しました。公園の池の浄化に使用した炭の一部を廃棄せずに公園を使った地域活性化イベントで再利用すれば、おそとカフェの運営経費削減にもつながるし、廃棄される炭を有効活用することでSDGsの目標12作る責任 使う責任にも寄与するので実現できて良かったと思っていますが、課題もあります。

炭浄化で使用している炭は炭の粉をちくわのように穴をあけた形状で固めて造る成型炭で、品質や形状も安定していて炭浄化に適したものですが、炭浄化の過程で付着した強烈なにおいを発する有機物は穴の中までびっしり付着していています。この成型炭は炭火用としても火つきが良く、爆ぜずに火持ちする良好な炭ですが、区から提供される際にあらかじめ水で洗い流し乾燥してもらっているものの、有機物は除去しきれず臭いも残っています。暖を取るだけなら気になりませんが、炭火用に使う際には火熾し直後の臭いが少々気になるため、いかに有機物を除去するかが課題となります。色々試しましたが、一番効果的なのは手作業で炭一つ一つを棒とたわしで洗う方法で、洗った後にしっかり乾燥させる必要がありますが、それができる場所は活動拠点近くにはありません。そこで、板橋区からは離れていますが幸いにも我が家には屋上があるため、初の試みとして我が家で作業をすることにしました。

休暇を取り、区から提供された炭を自宅まで自家用車で運び、庭で炭の穴に入り込んだ有機物や虫を一つずつ棒でかき出した後に屋上へ運び、たらいに浸けた炭を一つずつたわしで手洗し、天日干しして箱詰めする、という作業を何日もかけて行いました。今回処理した炭の量は100㎏にもなるため、妻や息子にも手伝ってもらい何とかやり切りましたが、想像以上に手間暇がかかり心身ともに厳しい作業でした。資源を有効活用するという点では良い取り組みでSDGsにも寄与しますが、今後も私がこの作業を継続できるかと問われたら厳しいと言わざるをえず、SDGsって大変!?と考えさせられた出来事となりました。大変ではありますが今回の経験を踏まえて、引き続き、資源の有効活用を持続可能にするあらたな手法を模索していきたいと考えています。

ちなみに次回の「冬のおそとカフェ」は2月23日(金・祝)13時~16時(雨天中止)ですので、ご興味持たれた方は是非、炭火で焼いて食べたい食材を持参のうえ、板橋区立赤塚新町公園へお越しください。火を囲んで一緒に楽しい時間を過ごしましょう!