1.なぜ職業訓練が必要なのか

 IV-JAPANのモットーは「その手に技術を、アジアに自立を」です。ラオスやネパールの人々が、技術を身につけることで、貧困から抜け出すことができるように支援しています。IV-JAPANが支援しているような国々では、地方まで教育が行き届くことが難しく、小学校、中学・高等学校、大学・短期大学へと進学していくのが難しい地域が多くあります。そのような地域では、家族経営の農業を一緒にする以外に仕事がなく、貧困から抜け出すことも容易なことではありません。このような地域に住む女性や少年にとって、職業訓練で比較的短期間で技術を身につけることが自立への一歩となります。

 IV-JAPANでは、日本からそれぞれの分野の専門家の方を招いて、職業訓練校にトレーナーを養成したり、職業訓練のカリキュラムや指導書・教科書の制作を支援してきています。

 多くの人々が、縫製、理美容、調理、木工の職業訓練をきっかけに新しい道を歩み始めています。ホテルやレストランに就職した修了生がいます。また、自分自身で起業し、ブティック、美容室、定食屋さん、家具工場を開いた修了生もいます。職業訓練をきっかけに、経済的に安定した生活を送れるようになっています。

2.職業訓練修了生の声
ノーさん

縫製コース修了生 ウォンサパーイ ヴィライポーン(ノーさん)

 私の名前はノーと申します。ビエンチャン都の出身です。高校卒業後、本当は大学等に進学したかったのですが、家が貧しく進学することができませんでした。将来、何をすればよいかなと考えていた時に、友達がIV-JAPANが職業訓練を行っていることを教えてくれました。いくつかコースがありましたが、卒業は自分自身で起業したいこと、また、自分は衣服が好きで将来ブティックを開きたいことから、縫製コースを選びました。IV-JAPANの職業訓練コースでは、採寸、型紙の作り方、縫製の方法まで1から丁寧に学ぶことができました。最初は何も分からなかったのに、約1年後には、1人ですべての工程ができるようになりました。おかげで卒業後すぐに自分のブティックをひらくことができました。家族の生活も大分よくなりました。もっと仕事を頑張って、お店を大きくしていきたいです。

3.職業訓練校教員の声

ビエンチャン都教育局職業訓練センター パイマニー トンサイ先生

トンサイ 先生

 ラオスには、仕事のない若者がたくさんいます。彼女ら/彼らにとって、職業訓練は、就職したり、小さなビジネスを開くときにとても役に立ちます。また、仕事のない若者がタイなどの外国に、労働者として働きに行かざるを得ないことは大きな問題であり、早急に解決すべき問題として認識されています。この面からも、若者が職業訓練を通して技術を身に付け、ラオス国内で就業、起業することができるようになることは大切なことです。

 ビエンチャン都教育局職業訓練センターでは、長年、IV-JAPANの支援の元に職業訓練を実施してきています。IV-JAPANと共に作った縫製・理美容・調理のカリキュラムなどは、ここでの職業訓練にとても役に立っています。修了生は、技術を身に付けることで、ホテルやレストランに就職しています。また、規模は小さいですが、ブティックや美容室、定食屋を開いている修了生もいます。

 彼女ら/彼らが就業・起業することで、自分自身の経済的な生活の安定を図ることができるだけでなく、家族を養うことができるようになります。また、その地域の経済に貢献し、地域社会を発展させることにもなります。

 これからもIV-JAPANと共に職業訓練を通して、ラオスの若者の就業・起業を支援していきます。