1.なぜラオスなのか

 ラオスは東南アジアの内陸国で、タイ、ベトナム、中国、カンボジア、ミャンマーに囲まれています。近年の経済成長は目覚ましく、首都ビエンチャンだけでみれば、1人あたりのGDPはベトナムのホーチミンよりも多くなっています。ビエンチャン都内では、トヨタのきれいなピックアップトラックが多く走っており、訪れた人は思い描いていた貧困な国とのギャップに驚きます。

 しかし、経済発展は都市部に偏っており、多くの国民、特に地方の国民は恩恵に預かれず、貧困な状態に取り残されています。公用語であるラオス語を母語としない少数民族の中には、授業についていくことができず小学校を中退する人がいます。徒歩や自転車で通える距離に中学や高校がない人がいます。農業を営んでも近くに市場がなく、現金獲得手段が限られている人が多くいます。多くの人が、教育の機会の欠如や現金収入の欠如により、貧困から抜け出すことができません。

 職業訓練は、技術を身に付けることにより、就業、起業することができることから、貧困から抜け出すための重要な手段となっています。IV-JAPANはこの視点に立って、ラオスで職業訓練支援を行っています。

2.IV-JAPANの取り組み

 これまで縫製・理美容・調理・木工の職業訓練コース支援(トレーナーの養成やカリキュラムの策定など)を中心に、職業訓練所や学校の建設、訓練生の奨学金支給、訓練修了生への起業支援のためのマイクロファイナンス事業など、ラオスの人々が技術を身に付け、就業・起業することができるように多角的に支援を行ってきました。職業訓練を行うときに、職業訓練所という箱物だけがあればよいのではなく、熱心なトレーナーに、新しい人生を歩み出したい訓練生、そして、それを支援する体制があって初めて就業・起業に結びつく職業訓練が実施できます。特に貧困層の人々が技術を持つことにより、経済的に安定した生活を送ることができるようになることを支援するためには、できるだけ短期間で、必要な技術を身に付けさせることが必要になります。IV-JAPANでは、30年かけて、このような職業訓練の仕組みを作ってきています。

3.メッセージ

IV-JAPAN 木工トレーナー シーヴォンペット トンシーさん (エイプさん)

家具製作指導をするエイプさん(右)

 私はIV-JAPANで働いていることをとても嬉しく思います。IV-JAPANで働く前には、日系の家具工場に勤務しており、その後、ご縁があり、IV-JAPANで20年勤務しています。主に木工の職業訓練を担当しており、多くの日本人の家具専門家と一緒に仕事をしてきました。彼らからは、日本の精巧で美しい家具作りをラオスになぜ必要なのかを学びました。家具の製作技術だけでなく、職業に対する姿勢など、本当に多くのことを彼らから学びました。おかげで、現在は日本人の専門家がいない中でも、ラオス人の学生などに日本の木工技術を教えることができるようになりました。このことは私にとって、大きな喜びです。

 また、木工の分野に限らず、IV-JAPANで働く中で、縫製、理美容、調理の職業訓練の修了生が、修了後、社会の中で活躍している姿を多く見ています。自分のお店を持つ人、ホテルやレストラン、工場で働く人など、訓練修了後の進路は様々ですが、多くの修了生が経済的に安定した生活ができるようになっています。彼女、彼らの活躍を見ると、自分自身の仕事が社会に役に立っていること感じます。

 これからも、IV-JAPANと共に、ラオスの若者が技術を見つけ、自立していくのを支えていきます。どうぞよろしくお願いいたします。