家具のショールームを設置中です。

 プロジェクトマネジャーの田澤です。

 現在、IV-JAPANでは、JICA草の根技術協力事業「ラオス木工職業教育校におけるトレーナーの技能向上プロジェクト」を実施中です。このプロジェクトでは、カウンターパートのラオス職業開発機関(以下、VEDI)と協力して、木工の技術書を作成や、ラオスの職業教育校の教員・学生への家具製作指導、Youtubeへの家具製作動画のアップロードなどの活動を行っています。

 2018年1月にこのプロジェクトが始まってから、地方の職業教育校の木工科教員を対象として家具作りのトレーニングを行ったり、VEDIの教員・学生に家具作りの指導を行っています。多くの家具を作ってきましたが、これまで人の目に触れるのは、年に3回行われる家具フェアでの出展のときに限られていました。

 そこでカウンターパートのVEDIと話し合い、できるだけ多くの人の目にこれまでに製作した家具を触れてもらい、同時に家具作りの技術も伝えられるようにしようということで、木工学科の建物の中にある教室をショールームに作り変えることにしました。

 7月半ばから、VEDIの学生とショールーム作りを始めています。最初は、教室の床にタイルを貼って、カーテンを取り付けるくらいにしようと考え、作業期間を2週間程度に考えていました。

 しかし、いざ作業を進めて行くと、扉を作り変えたい、窓枠を作りたいなどと作業箇所が増えてきており、1ヶ月以上経った今も作業が終わっていません。予定では、8月中にすべての作業を終え、その後、ショールーム用の家具の補修や再塗装を行い9月の初旬に完成予定となっています。

 今回のショールーム設置にあたり、VEDIの学生には窓枠作りのためのルーターの使い方、扉の作り方、塗装方法などいろいろ学んでもらっています。その中でも、学生に特にしっかり学んでもらいたいのが扉の製作と塗装です。

  扉の製作は、IV-JAPAN木工トレーナーのエイプの最も得意とする分野で、日本人家具職員からその技術を学び、ラオスの高級アパートメントなどからも発注を受けています。この技術を使って製作した扉の製作を通して、学生にグレードの高い扉作りを学んでもらっています。日本では、既成の扉を購入することがほとんどですが、ラオスではグレードの高いアパートメントや一戸建てでは、扉をオーダーして作るのが一般的であり、木工職人や建築職人に必須の技能となっています。

 また、学生には、扉や窓枠の塗装を通して、ガンスプレーの使い方、ウレタン塗装の方法などを学んでもらいました。最初は、ぎこちないガンスプレーの使い方も、扉、窓枠などを塗装しているうちにだんだんと上手になっていきました。また、①下地塗装→②ヤスリがけ→③下地塗装→④ヤスリがけ→⑤塗装→⑥仕上げ塗装と高級品に用いられる塗装方法も学生は学ぶことができました。

 最後に皆で協力して、扉をショールームに取り付けました。

 ショールームの前を通る多くの人から、素晴らしい扉だという言葉をかけてもらっています。この扉が、VEDI木工学科の家具作りの象徴となって、ここでますます良い家具づくりを行っていくことができれば良いなと考えています。