ラオスの職業訓練校ってどんな風に運営しているの?(1)

サバイディー。

ラオスは本格的な雨期に入り、毎日雨が続いています。
エアコンをつける必要もなく涼しいのですが、湿度が高いのが気になるところです。
この時期になるとアリも雨宿りなのか、普段はあまり見かけないオフィスにもやってきます。
何が彼らを引き寄せるのか分かりませんが、パソコンやプリンターの中に入ってくるので、OA機器が壊れないか心配です。

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オフィスは緑溢れるラオス大学工学部キャンパスの一角にあります。
夜には蛍を見かけることも。

さて、JICA草の根パートナー職業訓練プロジェクトも開始から1年半が経ちました。
最初はスタッフ全員意識もバラバラでベクトルが揃わず色々な苦労がありましたが、今はほとんどのスタッフが同じ目標に向かって努力し活動がどんどん進展しています。
今日は私たちがどのように職業訓練校をつくっていっているかをご紹介したいと思います。
職業訓練プロジェクトでは大きくわけて以下の3つの目標があります。

①職業訓練校上級コースの立ち上げと持続可能な運営体制の構築。
②職業訓練校(初級・中級・上級すべてのコース)のカリキュラムと教科書の開発。
③地方職業訓練校のトレーナー養成。

私たちIV-Japanでは、これまでおもに①職業訓練校上級コースの立ち上げと持続可能な運営体制の構築に取り組んできました。
具体的にどんなことをしてきたかというと…

1)職業訓練校の校則の制定
2)マネージャー用マネジメントマニュアルの作成

誰もが始めての取り組みでしたので、職業訓練校では様々な問題が起こりました。
1年目はとにかく目の前で起こる問題の対処でいっぱいでしたが、様々な議論を重ねてなんとかかたちにすることができました。
management manual

こういった職業訓練校の校則やマネジメントマニュアルの内容はどのように制定しているかというと、月に平均して2回ほど開くスタッフ会議で議論し決めています。
staff meeting

会議はすべてラオス語で行われます。日本人コーディネーターが決めなければならない項目をいくつか提示し、ラオス人スタッフが中心となって議論を進めています。間違った方向に進みそうな場合は日本人が多少の軌道修正を加えますが、基本ラインをはずしていなければ、すべては彼らの意思決定に任せます。

私たちIV-Japan日本人スタッフが重要だと思うのは、彼らが「自分たちでつくりあげた学校だ」という誇りを持つことです。すべての援助に対して言えることですが、何を支援してもそれがラオス人の心の中で「自分たちのもの」になっていなければ、大切にしてはもらえず、永続するものにはならないからです。

私たちはこの視点を大切にし、ラオスの人たちと一緒になって汗を流していきたいと思います。

OJTコーディネーター・須田