『第2のふるさと作り』プロジェクト⑥

講座6 やさしい日本語とコミュニケーション

前回に続いて、今回も井上くみ子 さんの講義でした。

今回は、「日本語」という言葉で伝え合う以前に大切にすべきことがあることを再確認しました。それは、「心の触れ合い」ということです。目に見えない、声が聞こえない。しかし、心と心で伝わることも少なくないはずです。相手を受容し、お互いを尊重し、安心して自分を表現できるような場があると「やさしい日本語」の理解にもつながっていくのではないかと思いました。

美しい花が咲くと花だけが注目されがちですが、「根っこ」の部分をしっかり育てないと美しい花は咲かないことを忘れないようにしたいものです。

<講座の内容(簡単なまとめ)>

やさしい日本語  ~言い換え・コミュニケーション(前回に続く)~

1.どこが難しいのか?

①ひらが

☆似ている「ひらがな」を混同してしまう。

②色のルール

☆白い、赤い、茶色い、三角の、四角い…自分が自然に話している言葉が難しいことを知る。

「○+い」の形―――――赤、青、白、黒

「○色+い」の形――――黄、茶

「い」が付かない――――上記以外の全ての色

③オノマトペ …カチカチしてください。ギリギリしてください。=歯医者で=

☆国による違いがあり、理解し合うのが難しい。でも、難しいけれども楽しいことでもある。

④様々な言い方がある

・座ってください

・お座りください

・おかけください

・こちらにどうぞ

・お席にどうぞ

・ご着席ください

・お使いくださいませ

2.⑴ワークショップ(伝わる日本語へ)自分が話す日本語の難しさに気づこう!

☆単なる日本語のいい変えではなく、具体的に伝える。時には、だいたんな言い換えも!!

☆相手に合わせることを忘れない。方法はいろいろ。意味がちかくなるようにがんばる。

(受講生感想:考えました!)

⑵ワークショップ(しりとり)

・グループでしりとりをする

・声は絶対に使わない

・文字も絶対に使わない

(受講生感想:伝わる。楽しかった。)

3.⑴分からないのはなぜ?

・漢字が読めない?

・意味が分からない?

・そのものを知らない?

・習慣の違い?

・文化の違い?

⇒聞く人がいない?

地域の人に求めることは?

先生ではない               

支援者ではない              

・お互いにびあい、協力できる関係   

・一緒にいて楽しい存在          

☆お互いが豊富な体験のチャンスとなる。

4.様々な体験、活躍できる場を(具体的な活動例の紹介)―――学び、成長する場となる。  

☆子供の将来、家族の健康、出産、病院、学校、PTA、役員、行事、仕事、老後、夫婦の価値観・・語る場、活動を通じて子どもに親の姿を見せる場でもある。

今回のポイント

必要な言葉、知りたい日本語は、教科書ではなく会話の中にあります。

やさしい日本語でやさしい街づくり

=受講生の感想(匿名希望)=

「やさしい日本語」それは初級日本語講座とは違うということに新鮮な驚きを感じました。いかに普段、観念的な世界に生きているかと考えさせられ、もっとわかりやすく生きる社会の在り方を思いました。そして改めて在留外国人と言われる人たちの存在に気付きました。たまたま誘われて、講座の会場が自分が行き慣れた場所だからと参加した次第で、私の日常では出会うことのない存在でした。新聞記事などで知ってはいましたが、身近に感じられるようになってきました。相手が必要とすることで、私か協力できることがあればと、ちょっと立ち止まって考えてみました。それは支援する人、支援される人という関係ではなくて、お互いに相手を思いやれる、できることを交換しあうような関係なのでしょうか。講座の最後に自分がどう思い、行動しようとするか、興味が湧いてきたところです。