ラオスの学校の現状と必要な支援

 IV-JAPAN理事の飯村です。

 日本人の平均年齢は48.6歳(男47.2歳、女50歳)です。ラオス人の平均年齢は何歳でしょうか?答えは何と、24歳(男23.7歳、女24.4歳)で、日本の半分以下なのです。ラオスで生活していると、結婚式やおめでたも頻繁にあります(お祝いで懐が痛い)。私は幼稚園や小学校に出かける機会が多いのですが、小さな子ども達は元気いっぱいです。日本とは異なり人口も増加しているので、地方の学校等でも児童がどんどん増えていて、教室や教材、設備も十分ではなく、かなり痛んだ教室で学ぶケースも多く見られます。

ラオスの幼稚園児
屋根が壊れた教室で授業を受ける小学生児童

 ラオス教育スポーツ省にも十分な教員採用枠(クオータ)がないため、6年も7年もボランティア教師としてクオータを待ち続けている人もいて、結局教師になるのを諦める人も少なくありません。教室や教師が十分ではないことは、多民族国家であるラオス(公式で50民族)にとっては、児童の国語(ラオス語)能力の習得が遅れる一因にもなります。様々な団体が読書を推進しており、学校に供与された絵本等も見かけますが、絵本支援も子ども達の国語力の向上に役立っています。

海外の団体からの絵本支援

 学校といえば、日本の児童にとっては給食が楽しみの一つですが、日本の給食は美味しくて栄養のバランスがとれています。ラオスでは国連WFP等の給食支援を受けている地域もありますが、ほとんどは家から持ってきたお弁当です。貧困だけでなく、特に農村部では親が早朝から農作業をしなければならず、お弁当を準備する時間がないということもあり、子ども達の昼食はとても質素です。ご飯(ラオ族はもち米、モン族はうるち米)と卵焼きなら良い方で、中にはご飯に水をかけて食べている子どももいて、日本との違いに驚きます。せめて果物や野菜があればなと考えてしまいます。

 まとめると、ラオスの学校に今必要なものは、教室の増築や修繕、ラオス語力を高める取り組み(教師、教材が不足しています)、子どもたちの健康支援(給食や清潔な水、水道、トイレ)など、たくさんあります。

 後発開発途上国であるラオスは、子どもの教育や栄養・健康の問題でなく、医療も麻薬も交通事故も、問題が山積みです。IV-JAPANはできることは全てやっていきたいと考えていますので、是非IV-JAPANの活動にご支援いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

教室の前の廊下で、家から持ってきたお弁当を食べる幼稚園児