『第2のふるさと作り』プロジェクト⑤
講座5 やさしい日本語とコミュニケーション
(10月28日、講師:モンゴル小学校の立ち上げ協力(現ノムトナラン小学校) ・地球っ子グループ 多文化子育ての会Coconico代表 ・一般社団法人やさしい日本語普及連絡会 代表補佐 ・やさしい日本語コミュニケーション講師 ・地域日本語教育コーディネーター ・専門日本語教師(児童・子育て・介護) ・介護福祉士・手話サポーター 井上くみ子 さん)
講師の井上くみ子 さんは、前回の講義で紹介された地球っ子グループ、 多文化子育ての会Coconicoの代表です。今回は、「おなじって嬉しい!!ちがうって楽しい!!」を合言葉に、在留外国人が「日本語」に対してどのように感じるか、そして、「わからない」とはどんな感じなのかをワークショップを通じて学びました。また、「易しい」だけではなく、「優しい」日本語を使うことの意義を知り、これまで漠然としたイメージだった「やさしい日本語」に関して、なるほどと新しい発見をしたような気分にもなりました。
<講座の内容(簡単なまとめ)>
やさしい日本語 ~言い換え・コミュニケーション~
1.団体紹介(講座4で紹介済み)・情報
・地球っ子グループ多文化子育ての会Coconico
https://www.facebook.com/CoconicoUrawa
・井上くみ子さん
https://www.facebook.com/kumiko.inoue.5477
2.「やさしい日本語」とは・・
①「やさしい日本語」の考え方が生まれたのは、1995年の阪神・淡路大震災がきっかけ——被災者の中には外国人も多くいたが、日本語も英語も得意でないために、必要な情報を受け取ることのできない人がいた
②「やさしい」という表記には、簡単という意味の「易しい」と相手への配慮を示す「優しい」という2つの意味が込められている
3.「やさしい日本語(易しい・優しい)」で相手に伝えるためには?
①難しい言葉をさけ、簡単な言葉に
②一文を短くして、文の構造を簡単に
③外来語に気をつける
④オノマトペ(擬音語・擬態語)の使用をさける
⑤あいまいな表現はさける
⑥二重否定の表現はさける
⑦文末を統一する
例:「頭部を保護してください」 →「帽子をかぶってください」
※ハサミの法則→はっきり、さいごまで、みじかく
- ワークショップ→「わからない」ってどんな感じ?
①なんて書いてあるの?
(受講生感想:書くのが大変。ローマ字のような法則がある!)→在留外国人にとっては、法則性のない「かたかな」が難しいようだ。
②モンゴル語→聞いても、読めたとしても、絵を見て分かったとしても答えられない体験
③「やさしい日本語は、誰にでも通じる『魔法の言葉』ではない」
例:きてください→来てください、着てください、切ってください、切手ください
今回のポイント
「伝えた」は「伝わった」ではない!!
=受講生の感想(匿名希望)=
日本語を母語として日本に居住するかぎりは高等教育を受けることも可能だし、多(他の)言語の必要性を感じなくとも生活できる。 しかし在住外国人にとって日本語の習得は日本で生活するために必要である。そのために我々日本人がお手伝いできれば日本への理解も一層深まるであろう。 今回の講座は「やさしい日本語」と題し、知識、技術(これらの言葉が適当か分からないが)、心構え等、具体的に学ぶことができた。 日本のあたりまえは、世界のあたりまえではないと、正しく多文化共生の意味・意義を噛みしめ、やさしさは言葉だけでなく、心からも、相手を思いやる・理解しようと強く思えた講座でした。 ありがとうございました。
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