タイトル「NPOと認定制度」

日本事務局の瀧口です。

 日本には一体どれだけの特定非営利活動法人(NPO)があるのでしょうか。

 内閣府NPOホームページによると、NPO法が制定された1998年以降、NPOとして認証を受けた団体の数は増加の一途を辿り、2017年に51,867団体とピークを迎えました。その後は緩やかに減少しているものの、2021年8月末の時点で50,820の団体がNPOとして認証を受けています。少し乱暴なくくりではありますが、同じように公益事業等を行うことを目的とする公益財団法人が約5,600団体、公益社団法人が約4,200団体、一般財団法人が約7,700団体、一般社団法人が約67,000団体であることと比較しても、多くのNPO法人が国内に存在することが分かります。

 たくさん存在するNPO法人ですが、その頭に「認定」とつくNPOの数は、実はそう多くありません。50,820あるNPO法人のうち、認定を受けているのは1,209団体しかないのです。比率にすると、なんとたったの約2.4%….!

 さて、それでは一体どこが認定を出しているのかというと、現在は団体ごとの「所轄庁」が認定を出しています。IV-JAPANの場合はさいたま市です。所轄庁が、NPO法人のうち、その運営組織及び事業活動が適正であって公益の増進に資するものとして「一定の基準」に適合した団体に対して認定を出します。

この「一定の基準」は何なのかというと…

(ア) パブリック・サポート・テスト(PST)に適合すること。

(イ) 事業活動において、共益的な活動の占める割合が、50%未満であること。

(ウ) 運営組織及び経理が適切であること。

(エ) 事業活動の内容が適正であること。

(オ) 情報公開を適切に行っていること。

(カ) 事業報告書等を所轄庁に提出していること

(キ) 法令違反、不正の行為、公益に反する事実等がないこと。

(ク) 設立の日から1年を超える期間が経過していること。

といった基準を満たし、かつ「欠格事由」に該当しないことが求められます。また認定には「認定の日から起算して5年」という有効期間が定められており、有効期間の更新のため、認定団体は5年ごとにきびし~い所轄庁からの実地調査を受けることとなるのです。

 もっと詳しくこの認定制度を知りたいという方は、下記に参考を掲載しておくのでご参照ください。今回のブログで何をお伝えしたいかというと、

認定を受けているNPOは信用できる!(はず!)

ということです。

 ご寄付を下さる方の中には、「自分の寄付金はちゃんと届いているのかな、使われているのかな」と不安になる方もいらっしゃるのではないかと思います。認定NPO法人は上記の厳しい認定基準をクリアした適正な団体運営が行われているのみならず、決算書や事業報告書などの情報の開示が義務付けられているので、適正に資金が使われているか・事業は行われているのかということを確認することができます。もちろん、団体の職員に直接問い合わせても答えてもらえるはずです。

 今回は認定制度にスポットを当てた書き方をしましたが、誤解のないように申し上げておくと、もちろん認定を受けていない団体の中にも数えきれないくらい多くの素晴らしい団体が存在します!ご自分のお気に入りの団体を探すための一つの判断基準として、「認定」という視点も加えて頂けたら幸いです。

【参考】

*内閣府NPOホームページ

https://www.npo-homepage.go.jp/about/toukei-info/ninshou-seni

*公益財団法人 助成財団センター

日本の助成財団の現状 -概況

*横浜市 認定NPO法人ってなんだろう

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo-manabi/shiminkyodo/NPO/2-hojintoha/ninteinani.html