国内活動の充実に向けて

 理事の利根川恵子です。

 今年度の総会において理事の役割分担を行い、国内活動担当となりました。2020年10月のブログに、国内活動をさらに充実して、グローバル人材の育成と地域のグローバル化を図ろう!と、宣言しておりましたので、国内活動の担当として、いよいよ動き出す時がきたと意を新たにしております。まず、国内担当グループで、長期的なビジョンと具体的な目標を設定し、目標達成に向けて活動を策定するスキームづくりを始めようと考えております。ただし、動いてみなければ見えてこない部分も多々ありますので、とにかく今できることをやりながら、長期的なビジョン及び目標を見極め、具体的な活動も整えていくほうが現実的であろうと思っております。

 少し話がもどりますが、目標とするグローバル人材の育成とは何かをここでお示しします。文部科学省のグローバル人材の定義では、コミュニケーション力(決して語学力とイコールではありません。)を備え、主体性、積極性、協調性、チャレンジ精神などに溢れ、個が確立していて、異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティを持つ人材となっています。また、地域のグローバル化を謳う総務省では、「地域における多文化共生推進プラン」を策定し、多様性を認め合い、外国籍市民にも住みやすい環境をつくるための施策を、コミュニケーション支援、生活支援、意識の啓発と社会参画支援などの面から実施することを提唱しています。

 このように見てくると、グローバル人材の育成と地域のグローバル化に共通しているのが、異文化理解を中心とした多文化共生の推進です。IV-JAPANは、海外で比類の無い活動を行っており、各種プロジェクトの目的や成果はまさに異文化理解、多文化共生の生きた教材です。国内で小学生から高校生まで、それぞれの発達レベル、興味・関心などに合わせたセミナーや体験活動が、児童・生徒の世界への視野を広げる一助となることは間違いありません。今はZoomも簡単に使えますので、現地と結んでの取り組みなども参加者にとって魅力となり得ます。大学生や社会人を対象としても、バーチャル・ツァーなどを取り入れて、自分と世界とのつながりを実感する体験講座を考えたいと思います。

 以前にも書きましたが、現在のIV-JAPANは、何か事業を行うには実行部隊がほとんどいない状況です。これまでにスタディ・ツァーに参加した大学生や冨永代表の講義を受けた学生、あるいは料理・ラオス語講座に参加した市民等々、サポーターを掘り起こしつつ、今後、国内活動の企画運営を担う人材を増やしていかなければなりません。IV-JAPANとつながることからグローバルな視点を持った人材が育ち、そのような人々が多文化共生の地域を創り出す原動力となることを願って、国内活動の歩みを始めてまいります。