ラオスを支援する必要性

IV-JAPAN理事の飯村です。私は、2019年まではプロジェクトマネージャーとして、近年は理事としてIV-JAPANの活動に微力ながら関わってきました。

 IV-JAPANの活動の多くは、東南アジアのラオスで行っています。世界には後発開発途上国が46カ国ほどあり(2021年現在)、ラオスもそれに含まれますが、実際に活動を行い、地域の人々と関わる中で差し迫った貧困を感じることは多くはありません。特に農村部では、栽培・飼育したり、自然から採れた果物や料理、お酒まで振舞ってくれることも少なくありません。家族の絆も強く、大人数で暮らし、伝統行事や冠婚葬祭を行う様子を見ると、心も癒されますし、自分の生活を見直す機会にもなります。

 では、このラオスにおいて果たして支援は必要なのでしょうか?

 ラオスにはまだ解決すべき課題が多くあります。例えば、教育や医療などの社会サービスの質の低さ、地域や民族間での格差などは未だ大きな問題です。他民族国家であるラオス(50民族)では、実際に小学3-4年生と接し、話してみると、ラオス語力が不十分である子も多く見られ、学習の遅れの大きな原因となっています。地方では今でも自宅で出産するケースもあり、栄養状態も良くないこともあり、幼児死亡率も周辺国と比較しても高いです。300人、400人が学ぶ学校でトイレが3〜4室というケースも珍しくありません。目立った産業が少ないため、例えば高校を卒業できたとしても、良い職業に就くことは容易ではありません。

 IV-JAPANは教育面での支援、特に職業訓練と小規模起業の支援を長年行っています。数ヶ月間の短期訓練により、どこの村でも需要がある縫製、理美容、調理、木工などの訓練により、地方の女性・若者の自立を支援しています。家族、伝統文化が残されているが故に、結婚式や新年などに備え、衣服を誂え、髪を結う需要があり、地方でも訓練した技術がビジネスへと繋がるのです。

 そんなラオスでも社会は変化しています。ラオスで長年を続けて来たIV-JAPANはその変化に応じて、新しい分野の活動を進めて行きます。みなさま、IV-JAPANの仲間になって、一緒に活動に参加してみませんか?

前の記事

モン族の伝統手芸