モン族の伝統手芸

理事 金野喜久子

ラオスを訪れる機会があると、そのたびに、ラオスの女性たちの手作りの小物を買うのも楽しみの一つでした。使っていると何とも言えない温もりを感じるからです。所有している小物の中にモン族の伝統的デザインによるものがあります。それは綺麗な物というだけではなく、パッチワークのようでもあり細かい刺繍のようでもあり、「どのようにして製作したのだろうか」と製作方法にも興味を持つものでした。

その疑問を解決することができたのは、数年前にラオス北部のルアンパバーンを訪れたときに、実際に体験する機会を持つことができてからです。その時の様子は、次の写真でイメージして頂けるのではないでしょうか。

製作についてのアバウトな説明になりますが、重ねた布の上の布に切り込みを入れて、切ったところを針を使って内側に折り込みながら、土台となる下の布に、まつり縫いしていきます。そうすると、下の布の色を見せることで柄ができます。もちろん、まつり縫いする際に、ずれないようにバランスを見ながら折り込まなければ、きれいな模様、きれいな仕上がりにはなりません。

体験してみたら、作り方の基本の部分は、意外と単純でした。つくりたい形に布をカットして、その端の始末を丁寧にしていくだけです。ゆっくり辛抱強く続けると複雑なデザインもできてしまうのです。モン族の伝統模様は、身近な自然の生き物などからデザインされているようです。

ラオスの女性のように複雑な模様を仕上げることが私にはできませんが、簡単な物なら自分でも手作りできそうです。次の写真は、実際に私が縫った物です。白い方の布を渦巻状にカットして、そのカットした部分をまつり縫いし完成させたものです。上手に出来なくても、自分で作ったものには愛着がわきますね。皆様も、トライしてみませんか。なお、イベントの時に、IV-JAPANのブースでも小物を販売しております。支援に御協力頂けると嬉しいです。

前の記事

NGO組織運営の課題

次の記事

ラオスを支援する必要性