NGO組織運営の課題

 副代表の河島です。

  当団体は、IV‐JAPANの前身である国際ボランティアの会を冨永代表理事が1988年5月に創設し活動を始めてから、今年で34年が経ちました。創設当初は若かった代表や同世代で構成された理事、支援者も34年の年を重ねて還暦をはるかに超える年代となり、理事会でも今後の組織運営をどのようにすべきか、という課題について多く議論するようになりました。

冨永代表は、2019年にラオス南部水害被災地支援のために訪れた現地で交通事故に遭い、首や足を骨折し一時は意識不明となりましたが、まだ成すべきことが残っていると神に導かれて手術も成功し、無事復活を果たしました。現在もラオス現地で精力的に業務を行っていますが、今後、自分が動けなくなった際の組織運営について危惧しています。代表の同世代で構成された理事会はここ数年で世代交代が進んできましたが、主な組織運営業務が代表に集中している現体制の改善や安定的な事務運営費の確保をすべきであることは理解しているものの、ほとんどの理事が別に本業を持ち時間的制約もあるため、具体的な改善策を実施できずに困っています。支援者についても、代表と同世代の方々は年々減少していますが新たな世代の支援者も伸び悩んでおり、支援者の拡充が課題となっています。

 そんな中、世界的な社会課題である「貧困の解消」に向けて取り組むNPO/NGOが持続発展的に社会変革に取り組めるよう、その組織基盤強化に助成する「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」というメニューがあることを知り、応募して改善に向けた一歩を踏み出そうということになりました。この助成プログラムは、組織診断をした上で組織基盤強化計画を立案する組織診断コースと、立案した組織基盤強化計画に基づき組織課題解決や組織運営改善に取り組む組織基盤強化コースに分かれており、当団体は組織診断コースに応募しました。 (Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs

 

 様々な方のご支援ご協力もあり2021年の選考を無事通過し、今年1月から外部専門家を招いて組織診断作業を開始。その後、理事や事務局職員、外部アドバイザーによるワークショップを重ね、現在は組織基盤強化計画立案の最終段階となっています。NPO/NGOの多くは人力、財力に限りのある中小規模の団体であるため、当団体同様、創設から時間が経つとともに組織運営・継続の課題を多かれ少なかれ抱えることとなります。

今後は立案した組織基盤強化計画を実現するための準備を進め、同様の課題を抱える他団体の先駆けとして組織運営の課題解決に取り組んでいきたいと考えていますので、知的・人的・財的どんな形であれ、組織改善にご協力いただける方は、是非、日本事務所までご連絡いただけたら幸いです!

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