家具組合講演会&家具工場スタディーツアー

木工プロジェクト、プロジェクトマネジャーの田澤克之です。

 現在、IV-JAPANでは、JICA草の根技術協力事業「ラオス木工職業教育校におけるトレーナーの技能向上プロジェクト」を実施中です。このプロジェクトでは、カウンターパートのラオス職業開発機関(以下、VEDI)と協力して、ラオスの職業教育校の教員・学生への家具製作指導、Youtubeへの家具製作動画のアップロードなどの活動を行っています。

 2月24日にラオス家具組合の事務局長がVEDIに来て、ラオスの家具産業に関する講演をしてくれました。また、2月25日には、ラオス家具組合と協力してVEDI学生を連れて家具工場のスタディーツアーに行ってきました。

 2月24日のラオス家具組合・事務局長による講演会では、事務局長のブンペンさんが、ラオスの家具業界におけるラオス家具組合の役割、ラオス家具業界の現状、ラオスの家具に関わる法令などについて話してくれました。学生は、なかなか家具工場を取り巻く現状について、知る機会がないので、家具業界について知る良い機会となりました。

 次の日の、2月25日に実施したスタディーツアーでは、ラオス家具組合の案内で3つの家具工場を見学しました。

1.ポンブリー・ファニチャー

 ポンブリー・ファニチャーは、旦那さんが家具の製作を、奥さんが販売等を担当して経営しています。お二人とも日本の家具工場を何度も関学したことがあるとのことで、日本で見た製作過程を意識した木工機械の配置や整理整頓を意識して工場運営をしているということでした。また、学生たちに対し、座学だけでなく、自らの技術を使ってお金を稼ぐことがいかに大切かが伝えていました。お二人とも小さな家具工場から初めて、今の数十人の従業員を抱えるまでになり、家も車を買うことができたので、学生たちにも自らの技術を活かして成功してほしいと話してくれました。

2.ビエンニニョン・ファニチャー

 ビエンニニョン・ファニチャーは、JICAの中小企業連携の枠組みで支援された木工機械が導入されており、日本人家具職員の家具製作指導も行われてきました。学生たちは、ラオスの他の家具工場では見ることのできない様々な木工機械を使って、日本のデザインの家具が製作されているのを見て、感動していました。オーナーは、日本の家具のレベルにはまだまだ及ばないが、できるだけ良いデザイン、しっかりした作りの家具作りができるように日々改善しているという話をしてくれました。

3.コンサー・ファニチャー

 コンサー・ファニチャーでは、家具の製作方法の他に、木材乾燥についてオーナーから説明がありました。オーナーは、家具を製作する中で、製材をするようになり、さらに木材乾燥もするようになりと少しずつ家具製作から少しずつ周辺の事業へと拡大していることを話してくれました。

 それぞれ特色のある家具工場を見学を通して、木工学科の学生たちは学校では学べない実際の家具製造の方法を学ぶことができました。現職教員の学び直し制度を利用してVEDIで学んでいる学生たちは、それぞれの県の職業教育校に戻った後に見学した家具工場に学生のインターンシップを受けてほしいと、それぞれの家具工場のオーナーにお願いをしていました。このスタディーツアーをきっかけにVEDIと民間の家具工場のネットワークが強化されていけば良いなと考えています。