木工技術書が完成しました!!

プロジェクトマネジャーの田澤です。

 現在、IV-JAPANでは、JICA草の根技術協力事業「ラオス木工職業教育校におけるトレーナーの技能向上プロジェクト」を実施中です。このプロジェクトでは、カウンターパートのラオス職業開発機関(以下、VEDI)と協力して、ラオスの職業教育校の教員・学生への家具製作指導、Youtubeへの家具製作動画のアップロードなどの活動を行っています。

 今月、このプロジェクトで作成していた木工技術書が、完成しました!!

 この木工技術書は、日本の職業訓練校の木工コースで使用されている木工の教科書がベースになっています。今、実施しているプロジェクトの前に、ラオス学校外教育センターにて木工職業訓練のプロジェクトを実施しました。このときの日本人木工専門家が、日本の職業訓練校で使われている教科書をラオス語に翻訳しました。しかし、翻訳が終わったのがプロジェクト終了間際だったということで実際の訓練には使われずじまいになっていました。

 現行のプロジェクトでは、できるだけ早くこの木工技術書をラオスの職業教育校の教育の実態に合ったように編集・校閲・印刷し、全国の職業教育校に配布したいと考えていました。しかし、新型コロナの影響で、昨年は私が日本に一時帰国しないといけない状況になり、今年は4月以降ラオスの学校が休校になるなど、なかなか木工技術書の編集会議ができない状況にありました。

 このような状況の中、9月にVEDIの木工科教員と教科書作成担当職員、学校外教育センター木工科職員、ラオス家具組合事務局長、当会の木工トレーナーが参加して、編集会議を実施しました。(本来なら、地方の職業教育校の木工科教員にも参加してもらう予定でしたが、ラオス政府の新型コロナ対策により県外の会議への参加が難しく、参加ができなくなりました。)

  編集会議では、予想外に良いことがありました。ラオスでは、よくなあなあか感じで「オッケー」「オッケー」と、本当は良いと思っているのか、良くないと思っているのか分からない感じで進むこともが多いです。しかし、編集会議のメンバーが、お互いに顔馴染みのメンバーであることもあり、「ここの表現が分かりにくいから変えよう」「この内容も加えよう」と、議論をしながら編集会議を進めることができました。

 最後には全員で、これならラオスの職業教育校の木工科教育の質の向上に資することができると納得できるものができました。

 この木工技術書は、職業教育校の木工科で使用される正式な教科書として作成することができれば良かったのですが、現行のプロジェクトの成果を伝えるための成果品としてこの木工技術書を作成しました。ラオスで正式な教科書として発行するためには、様々な関係者を招いての会議、多くの部署から承認など、最低でも2年から3年かかるということでプロジェクト期間の関係から諦めざるを得ませんでした。もっとも、現在、木工学科には、学生に配布できる木工の書物が一切ないので、今回作成した木工技術書が学生が読むことのできる木工関係書籍になります。

 この木工技術書は、これから全国の職業教育校へ配布していきます。木工科教員がこの教科書を用いて学生を指導することで、学生には木工の基礎を学んでほしいと考えています。また、読むだけだけではわからない部分にはついては、補足ビデオを製作しました。この木工技術書が、ラオス全国の職業教育校も木工教育の質の向上に役立てていきます!!

※この木工技術書は下記のリンクからダウンロードすることができます。