ピーマイ・ラオ(ラオス新年)~ルアンパバーン~

 理事の金野喜久子です。

 Covid-19の影響で、将来の見通しができない状況です。参加する予定だった2020年2月から3月のIV-JAPANのスタディツアーも中止になったままで、残念に思っているところです。ビエンチャン、ルアンパバーンを訪れる予定でした。今後、一般の人たちの渡航が、いつからできるのか予想もできません。現状では、観光を含めて、ラオスを訪問して様々な体験をするということが難しくなり、ますます価値あることになるかもしれないと考えております。

 そう考えると、私の何度かのラオスでの経験は、とても貴重で大切な宝物になったように感じております。ここでは、ラオスのピーマイ・ラオ(2018年4月14日~16日、ルアンパバーン)の体験を振り返ってみます。

 ラオスでは、ピーマイ・ラオ(ラオス正月)の行事が盛大に行われます。私は、10日間ほどルアンパバーンに滞在して、前後に行われるイベントも含めて、出来る限り参加してきました。ラオス正月に関するスケジュールは、ネットで検索すると知ることができますので、関心のある方は、調べてみて頂きたいと思います。

 ラオスにおける国際協力に関わる者として、ラオスの人々の日常生活に触れることは重要なことだと考えております。知識として知るだけではなく、実際の経験を通じて、ラオスやラオスの人たちに関して新しい発見をすることが多いからです。

 ピーマイ・ラオに関係するイベントの内容をいくつか紹介いたします。

 新年の行列〈イベント〉では、各村の人たちによるパフォーマンスが行われました。ラオスは多民族国家であることは知っていても、このような場で、色々な種類の美しい民族衣装を纏う人たちに接し、多様な暮らしの存在を意識することができました。

 象の行列が、国立博物館(王宮博物館:正式にはルアンパバーン国立博物館)前からシェントーン寺まで続いたイベントでは、様々な国からの観光客も一緒になって、象たちと動きます。とても楽しいのですが、何処で水をかけられるか分からないので要注意です。ピーマイ・ラオの期間は、誰でも、誰に対しても、水をかけることが許されているようです。私も、何度か水をかけられて疲れましたが、そんな体験を喜んでもいたかもしれません。因みに、ラオスは以前、「百万頭のゾウの国」という国名だったほど、ゾウは、このを象徴する動物で、特別な存在です。生活の中で、人々と密接に繋がっています。

 ピーマイ・イベントの中で、個人的に特に注目していたのは、国立博物館の敷地内にある建物ホー・パバーンに安置されているパバーン仏をマイ寺に運ぶという、年に一度のイベントです。マイ寺に運ばれたパバーン仏には、正装した多くの人たちが、水かけ(仏像に水をかけ流し、自らの、お清めをする式)を一晩中行いました。またルアンパバーンで有名なプーニュー、ニャーニュー(この町の祖霊であり、ラオスの大地を創造したと言われる神話上の夫婦)の獅子の舞が、奉納されました。プーニュー、ニャーニューは、とてもかわいらしくて、身に付けていた装束がつくられている毛を偶然頂きました。そのためか、2018年は、無事に過ごせました。

 

 ラオスには仏教徒が多く、仏教は、日常生活と密接に繋がっています。日々徳を積むと、自らも幸せになれると信じられているようです。早朝、托鉢を行うのも、徳を積む場にしたいからです。修行僧たちは、お寺に住み、経済的に厳しい場合でも教育の機会を与えられます。また、生活規律を学んでいきます。おそらく、このようなシステムを支えることを、ラオスの人たちは誇りに思っているのでしょう。

 ピーマイ中に、国立博物館の敷地内にある建物ホー・パバーンの階段のところで、民族舞踊が披露されました。幻想的で美しく、民族楽器の演奏もあって質の高いパフォーマンスでしたから、感動的な体験をすることができました。しかし、残念ながら、なんと途中で空が光って、ものすごい雷が鳴り始めたのです。その後、急に激しい雨になり、舞踊は中止となってしまいました。私にとっては、映画のワンシーンのようでした。その後は、道路に水が溢れて足まで水につかり、歩くのも大変でトゥクトゥクに乗りました。途中で、何組かの乗客を一緒に乗せたので、ホテルに戻るまでに、随分遠回りとなりました。雨季の始まりなのかな、と思いながら、到着までトゥクトゥクの中で、じっと待ちました。

※下のビデオから民族舞踏の様子が見ることができます。

 ルアンパバーンは、1995年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録され、世界の国々からの観光客が訪れる町です。今回紹介しきれない、たくさんの観光地などがあり、織物の体験などもできます。ぜひ、一度訪ねてみて欲しい、お勧めの場所です。個人的には、市場やナイトバザールに行くのが好きで、ラオスの織物や小物を買って帰ります。国内のIV-JAPANのイベントで紹介し、販売することもありますので、関心のある方には、ぜひ、立ち寄って頂きたいです。(写真、ビデオ撮影:金野)