地方視察レポート ~ウドムサイ県編~

先日、2週続けてウドムサイ県とルアンナムター県へ出張に行って来ました。今回の出張目的は、現在実施している職業訓練プロジェクトの目標の一つである、地方における職業訓練の推進のためです。もう少し具体的にいいますと、将来的に地方レベルでの職業訓練をすすめていくため、地方レベルでの職業訓練の現状確認、地方当局との将来的な職業訓練実施の可能性についての協議を行ってきました。
教育省には学校制度外教育局(NFED:Non-Formal Education Department)という局があり、この部署がノンフォーマル教育システムにおける職業訓練を管轄しています。このNFEDが、ラオス全国でいくつか職業訓練強化指定県を定めており、ウドムサイ県とルアンナムター県はそのうちのひとつなのです。

さて、今回はウドムサイ県視察からレポートします!

11月20日の午後、ヴィエンチャンから飛行機で1時間弱でウドムサイ県空港に午後1時頃に到着。実は本来は19日出発のはずだったのが、前の週の金曜日に航空会社からフライトキャンセルのお知らせが!仕方がないので出発を1日ずらし、帰りのフライトはそのままで1泊2日の弾丸スケジュールとなりました。ウドムサイ県の空港に到着後、そのまま同県学校制度外教育課長チャムロン氏と合流し、県庁所在地のサイ郡から車で約1時間半のところにあるナモ郡(Namo)の学校制度外教育センター(Non-Formal Education Center)を訪問しました。

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ナモ郡学校制度外教育センター外観

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センター長らと協議中の様子

ナモ郡の学校制度外教育センターでは男女合わせて270名が学んでおり、うち170名が学生寮に宿泊しています。訓練生は家具・織物・縫製から1科目を専門科目として選択し9ヶ月間の職業訓練を受けるとともに、週2回調理・美容・機械修理・農業のいずれかを選択科目として学んでいるそうです。

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縫製コース                                 織物コース

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寮の様子。何もないですね・・・ 右の写真は寮のキッチン。炭火です。料理器具も最低限のものだけ。農業コースの授業で作った野菜は寮の生徒たちの食料になるそうです。

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このセンターではIV-JAPAN職業訓練校の2人の中級コース卒業生がトレーナーとして働いていました。彼女たちの指導スキルを磨くために来年7月を目途に上級コース及び教員養成コースへの進学をセンター側と調整することになりました。

270名というたくさんの若い訓練生を抱えており、彼らの能力開発がラオスの人材育成において大きな成果を結ぶであろう地域であることは確実ですが、センターとしての予算規模はそれほど大きくなく、質量ともに十分な訓練を受けるにはセンターの能力強化が先決であると感じられました。

さて、翌日21日は、ウドムサイ県教育局を訪問し、局長及び副局長らとウドムサイ県における今後の職業訓練の展望について話し合いをしました。ウドムサイ県では近年の経済成長につれ、観光産業の発展に伴いホテルやゲストハウスに従事する人材の育成や住宅建築に必要なドアフレームなどの家具製造業での労働需要が増えており、これらの分野での職業訓練が必要となってくることが分かりました。

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さて、弾丸出張の最後は卒業生を訪問。OJT美容分野を今年9月に卒業したばかりのNoiが故郷のウドムサイに帰ってお店を開いたというので見に行ってきました。県都より7キロ奥の集落に開店し、短大が近くにあるので、お客は常にいるとのうれしい報告でした。このように卒業生たちが実際に頑張っている姿を実際自分の目で見れるのは、とても幸せなことですね。
(写真右が卒業生ノイ。中央はチャムロン課長。)

さて、次回はルアンナムター出張報告です!お楽しみに!