夢に向かうラオスの若者

今日は私たちの職業訓練校(以下OJT:On the Job Training Centerあるいはお店)に通う生徒について紹介します。

彼女のニックネームはウァン。OJTの美容コースに通う生徒です。彼女の夢は実家のあるヴァンヴィエンに戻り美容室を開くことです。彼女には旦那さんと2歳になる一人娘がいます。今はヴィエンチャンにある旦那さんの実家に住み、OJTに通っています。昨年10月から始まった初級・中級コースを卒業し、今年の4月からこのOJTで訓練していますが、彼女がくるとお店はとてもにぎやかになります。
OJTには色々な生徒がいますが、彼女はとても元気な頑張り屋さんです。お店の開店は9時ですが、毎日8時前後にはお店に来て、すぐに掃除を始めます。掃除も楽しく歌を口ずさみながらお店をキレイにしていきます。私がお店にいくと「ねぇ。髪の毛セットしてあげようか?」「ねぇ。ネイルやってあげようか?」と、ハスキーな声で話しかけてきます。彼女はお客様がいないときは常に練習をしていたいのです。日本では練習するのは当たり前のことなのですが、のんびりな性格の人たちが多いラオスでは彼女のような人はとてもめずらしいのです。最近はOJTで習った英語を実践で使いたくて、「これは英語でなんて言うの?」と質問してきます。今日も私の爪で練習しながら、「私は美容の技術も上手になりたいし、ネイルも上手になりたいし、英語だって上手に話せるようになりたいの。」と話をしていました。今日はアクリル絵の具を使ってお花のペイントの練習をしていましたが、「あーっ!なんでうまく描けないのぉっ?もう一回!」と何度も何度も繰り返していたので、おかげさまで私の爪は今日1日で3回も色が変わりました。

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そんな明るくて頑張り屋さんの彼女の周りには常に人が集まり、笑いが絶えません。あるとき、彼女はOJTが終わると夜はレストランで働いているということを知りました。どこのレストランで働いているのかたずねると、どうやらメコン川沿いのホテルの1階にあるレストランということがわかりました。彼女は美容コースの生徒なのでホールで接客をしているのかと思いきや、実は彼女は歌手として働いているのだとか。毎晩夜8時から12時まで。ラオスやタイの曲を歌っているのです。
レストランの仕事が終わり帰宅すると就寝できるのは夜中の2時。炊事洗濯や家族の面倒をみるために、彼女は朝5時には起きて活動しているのだとか。さすがにこの生活を毎日続けているとは思えないけれど、「美容室を開くためにお金を貯めているの」と話す彼女の目からは真剣さが伝わってきます。

こんな生徒と出会うと、自分ももっともっとがんばらなければと思います。いつもは生徒たちが前向きに将来を考えられるように応援するのが私の仕事ですが、今日は彼女から逆にパワーをもらってしまいました。彼女たちが自信を持って卒業できるようにするために、今日もやるべきことをしっかりとやっていきます。

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